Systemed に縛られない自由を求めるOS Devuan をインストール!


Devuan GNU+Linuxは、Debian GNU/Linux から派生したLinuxディストリビューションです。

ところで、Linuxシステムを起動する際に、様々なプログラムを動かすシステム管理デーモン、それをsystemdと言います。

systemdは高速なシステム起動・終了・システム管理機能を提供し、Linux起動時に動作するプログラムを制御するプロセスであり、現在のLinuxこの systemed に大きく依存しているのです。

このsystemdへの依存を、Debianから取り除いたLinuxディストリビューションがDevuan GNU+Linuxなのです。

なおかつ、DevuanはDebianのリリースと同じ動作をするようにサポートを行い、Debianコードをすべて取得したうえで、systemdを取り除いた独自のリポジトリをパッケージ化させ、systemdに依存関係のない開発が進めています。






DevuanDog Beowulf 64bit をインストールして日本語化しました


DevuanDogをインストール rootではiBus+Anthy、一般ユーザーではfcitx+mozcを利用できるように、手動で日本語化をするまでの経緯!

今回紹介させてもらう方法は、BusterDog DebianDog Sparkybonsai 多くのDebian系のディストリビューションに適用できると思います。

ふと、Puppy Linux : Internet Archiveをのぞいてみると、DevuanDogが公開されているのを知りました。

https://archive.org/details/Puppy_Linux_DevuanDog_Beowulf_64_bit




今回は、ISOファイルとして

DevuanDog-openbox_lxde-2019-07-11_64-bit.iso

を利用しましたが、好みのもので良いと思います。

Dog系のPuppyLinuxは、本来の?PuppyLinuxとは少し違っていて、rootだけでなく、一般のユーザーで仕事ができ、Synapticパッケージマネージャーも使用できるので、お気に入りのPuppyLinuxの一つになっています。

というかPuppyLinuxのウェブサイトなどで紹介されていますが、本格的な?Linuxと考えたほうが良いと思います。

ただ、インストールに関してはPuppyLinuxと同じようにフルーガルインストールを行うことができます。

もちろん、今回のインストールもフルーガルインストールを利用しました。

以前から、BionicDogやStretchDogをインストールしては、その完成度の高さに感心していたものです。

これら2つのDogには、ZStepさんという方が提供してくれている日本語化ツールを使うことで、難なく日本語化を行うことができていました。

今回は、そのようなツールは存在していません。また、以前から、自分の力で日本語化もしてみたいと思っていました。

過去に、何度か、挑戦してみましたが、日本語表示まではできるものの、日本語入力の部分でつまずいていました。

今回は、完全ではないにしろ、DevuanDogを日本語化、日本語入力もできるようになりましたので報告させてもらいます。

そして、日本語入力はmozcの利用できないrootではAnthyを一般ユーザーではmozcを利用できるようにしました。どちらも日本語入力を可能にしました。

この記事も、DevuanDogで書いているので間違いはありません。

前回の記事では、日本語入力にSCIM+Anthyを利用しましたが、rootでは、どうやらiBusとの組む合わせが一番スムーズに動作するように思いました。

思いつく組み合わせとして uim、fcitx、なども試してみましたが、一部のブラウザーで日本語入力ができなかったりしました。

SCIM+Anthyの組み合わせは、満足できる仕上がりになりましたが、時々入力ができない現象があり、どこかをマウスでクリックすると、復活するということが発生していました。

今回、インストールしたiBus+Anthyの組み合わせは、そのような現象もなく、実に快適に日本語入力ができています。

なお、DevuanDogは他のDog系のPuppyLinux同様、一般ユーザーを作成して、一般ユーザー権限で動作させることも可能なので、 一般ユーザーでしか日本語入力は利用しないのであれば、fcitx+Mozcの組み合わせだけを検討しても良いかもしれません。

今回は、root環境ではiBus+Anthyの組み合わせで、一般ユーザーではfcitx+mozcでDevuanDogの日本語化、日本語入力を考えました。

きっと満足のいく環境が構築できると思いますので、この記事をご覧になっている方も、ぜひ、挑戦してみてください。

では、今回、成功した方法を忘れてしまわないように、備忘録としてメモしておきたいと思います。

なお、クロスリファレンスにならないように、過去の記事もそのまま掲載しています。

まずは、DevuanDogのインストールからです。

DevuanDogのフルーガルインストール


DevunDogは下記のリンクからダウンロードするのがわかりやすいです。

https://archive.org/details/Puppy_Linux_DevuanDog_Beowulf_64_bit

32bit、64bitがありますが、どちらでも日本語化の方法は同じです。

ダウンロードしたISOファイルを別のPuppyLinuxなどでクリックします。僕は、DpupStretch7.5 をよく使っています。




クリックすると下記のようになります。




必要なのはliveフォルダーだけです。

インストールしたいメディアにDevuanDog64などのフォルダーを作成して、liveフォルダーごとコピーします。

僕は、長ったらしいですが、ISOファイル名 DevuanDog-openbox-lxde-2019-07-11-64-bit をフォルダー名にしました。




後は、他のPuppyLinuxなどを起動して、メニュー>システムのところに「Grub4Dos ブートローダの設定」で作成した 「menu.lst」に下記の起動コードを書き加えるだけです。

title DevuanDog64(sdb3)
root (hd0,2)
kernel (hd0,2)/DevuanDog64/live/vmlinuz1 noauto from=/DevuanDog64/ changes=/DevuanDog64/live/
initrd (hd0,2)/DevuanDog64/live/initrd1.xz

kernel行は1行に書きます。

環境によって違ってくるのは、

(hd0,2) DevuanDog をインストールしたメディアとパーティション情報、この場合は第1ドライブの第3パーティションにインストールしたことを表しています。

(hd0,2)の表記は0から数え始めるので、このような表記になります。

DevuanDog64 は、liveフォルダーをコピーした場所です。

これで、DevuanDogが英語表記で、起動できるようになります。

次はいよいよ、DevuanDogの日本語化です。

DevuanDogの日本語化!


まず、ネットを接続します。

接続ツールにPeasyWiFiが導入されているので、難しくないと思います。

下記の引用の部分は BusterDog のときに設定したものです。DevuanDogでは必要ありませんでした。
まず、準備として、/etc/apt/sources.list を編集します。

ターミナルから、 leafpad /etc/apt/sources.list を実行しました。

下記の部分を追加しました。

deb http://ftp.jp.debian.org/debian/ buster main contrib non-free
1 ネットに接続したら、sudo apt-get updateをターミナルから行います。

2 Keyboard layoutを日本語環境にします。

ターミナルから leafpad /etc/default/keyboard と入力します。

XKBMODEL="pc106" または"pc105"

XKBLAYOUT="jp"

に変更します。変更したら保存してくださいね。

3 日本語フォントをインストールします。

僕は、Synaptic パッケージマネージャから takaoとVLゴシックを入れました。

fonts-takaoとfonts-vlgothicを検索して、インストールすればOKです。また、Noto Sans CJK JP も優れたフォントなのでインストールしても良いでしょう。

4 ここで、アップデートします。

# apt-get update

# apt-get upgrade

5 続いて、ロケールを入れて日本語に変更します。

ターミナルから

# apt-get install locales

# dpkg-reconfigure locales

ja-JP.UTF-8 を選択します。

6 確認のために、leafpadなどで、下記を開いて、コメントアウト部を削除します。(すでに、うえの設定で削除されていると思いますが・・・)

/etc/locale.gen

#ja_JP.UTF-8 UTF-8 (変更前)

a_JP.UTF-8 UTF-8(変更後)

変更した場合は設定を次のコマンドで反映します。

ここで、一度再起動しましょう。

# locale-gen

ja_JP.UTF-8 と表示されるはずです。

7 続いて、日本語環境に設定します。

日本語環境へ変更するために、下記のコマンドをターミナルから実行します。

# update-locale LANG=ja_JP.UTF-8

# LANGUAGE="ja_JP:ja"

# source /etc/default/locale

次のコマンドで、ja_JP.UTF-8 と表示されればOKです。

# echo $LANG

ja_JP.UTF-8

8 ロケール設定確認

再起動して、端末でロケールを確認します。すべての日本語設定はこのように

なっています。

# locale




9 時刻設定

時刻の設定をします。下記のようにターミナルから入力します。

# dpkg-reconfigure tzdata

Asia→Tokyo を選択します。







10 いよいよ日本語入力の設定です。

root環境では、インプットメソッドに先ほど述べたように、iBus+Anthy をインストールしました。

ターミナルから下記のように実行します。

# apt-get install kasumi ibus-anthy im-config

加筆(参考)

なお、この3つの kasumi ibus-anthy im-config をインストールしたのにも関わらず、下記のように日本語入力がうまくいかない場合は、ibus-gtk関係のファイルが必要な時があるようです。BusterDog 64bit ibus-gtk を導入しないと、日本語入力できないこともあるようです。

32bit版の BusterDog では必要ありませんでした。

上記のような減少のときは、Synapticパッケージマネージャから ibus-gtk をインストールしました。
また、im-configを端末から起動させようとしたら、zenity が足りないと言われたので、同じく、Synapticパッケージマネージャからインストールしました。

11 ターミナルから

# im-config

または、

# im-config -c

「Yes」を選択します。







ibusを使用するように設定をしました。




ここまで、再起動すれば日本語入力ができるようになっていると思います。
追記(参考 過去に行った設定)

いろんなウェブサイトでは、以上の設定で日本語入力ができると書いていますが、uim-Anthyの組み合わせでは、実際はできませんでした。iBusではうまくいきました。

いろいろと調べてみると、さらに下記のような設定が必要でした。(以下は、uimの時は必要でしたがibusでは、関係ないような気がしています。)

12 /etc/ld.so.confを編集して以下の行を追加します。

/usr/local/lib

/etc/ld.so.confの編集が終わったら、ldconfigコマンドを実行します。

# ldconfig

# exit

これで再起動すれば、日本語入力が可能になっているはずです。 以下の記述もuim+Anthyの場合です。一応、履歴として残して置きます。

iBus+Anthyの場合は、Firefox QuantumでもChromiumでもスムーズに日本語入力ができました。

しかし、uim+Anthyの場合は、BusterDogのデフォルトのブラウザーPaleMoonでは難なく日本語入力ができたものの、Firefox QuantumやChromeでは、日本語入力ができない現象に悩まされたので、SCIM+Anthyをインストールすることにしました。

iBus+Anthyでは、最初から日本語入力が可能でした。

今回の記事は、僕の備忘録を兼ねて、SCIM+AnthyとiBus+Anthyの記述が混在し ているので、分かりにくくなっていますが、失敗したことも掲載していないと、また同じ失敗をするので、そのまま残しておきました。 今後は、もう少し文書を推敲してわかりやすくなったものを提供したいと考えています。

SCIM+Anthyを使うためにインストールするものは3つです。

scim

anthy

scim-anthy

をSynapticパッケージマネージャからインストールしました。

その後、再び 、ターミナルから im-config を実行して、scimを選択すると、ChromeやFirefox Quantumなどでも日本語入力ができるようになりました。

もちろん、他のアプリケーションでも日本語入力が可能になります。

iBus+Anthyをインストールすることで、初めて、完全に、Dog系のPuppyLinuxを手作業で日本語化、日本語入力ができるようになりました。

なお、最初の起動の時、日本語入力ができずにあせりますが、タスクバーの右にある日本語バーをクリックして「日本語-Anthy」をクリックすれば、次回から日本語入力ができるようになります。

日本語入力のON、OFFは「半角/全角」でできます。


一般ユーザーで fcitx+mozc をインストールする方法


一般ユーザーでは変換効率の良い mozcが使用できるので、利用しない手はありません。

まず、下記のコマンドを実行します。

# apt install --install-recommends fcitx fcitx-mozc

--install-recommends は依存関係のあるファイルをすべてインストールするという意味です。

この後、一般ユーザーでログイン後

$ im-config を実行して、日本語変換として fcitx を選択すると、一般ユーザーで mozc が利用できるようになります。

下記は mozc で日本語入力しているところです。




DevuanDog Beowulf をはじめとするBusterDog DebianDog Sparkybonsai は ALTとファンクションキーの組み合わせで、root と 一般ユーザーのデスクトップを切り替えながら作業ができるので大変便利です。

root のデスクトップ




一般ユーザーのデスクトップ




以上で、DevuanDog Beowulf をはじめとするBusterDog DebianDog Sparkybonsaiの日本語化 についての記事は終了になります。

また、時間があるときに、内容をもう少しわかりやすくしたいと思います。